炭酸ガスはなぜ増えた?
部活から帰ってきた実が風呂から出て、会話に加わります。
お風呂出たよ。ご飯食べながら聞くから、始めて。
OK。えっと、空気中の炭酸ガスの濃度まで話したね。その濃度は、現在は400ppmくらいといわれている。ただ、昨日母さんが言っていたように、少し前まで空気中の濃度は、300ppm前後だったんだ。さらに昔にさかのぼると、280ppm(0.028%)くらいだったといわれている。
それがどうして増えたの?
光は産業革命って知っているかな?
知ってる。イギリスで起こったんでしょう?
そのとおり、18世紀半ばから19世紀にかけて、産業技術の著しい発展が始まったんだ。蒸気機関車が発明されたのはその頃だよ。このあと、人間は、石炭などを大量に使い始めたんだ。石炭は、大昔の植物が地下に埋まってできたもので、炭素そのものだよね。それを燃やすとどうなる?
炭酸ガスが出る。
そう。それまで灯りや暖をとるため、薪や石炭も使われていたけど、植物が取り込む量に比べるとそんなに多くなかった。だから、空気中の炭酸ガス濃度も280ppmくらいだった。しかし、石炭を大量に使用し始めたため、炭酸ガスは少し増えることになった。さらにその後、石油を使いだした。石油も石炭と同様、、大昔の動物や植物が変化したもので、炭素を含んでいる。それまでは、地下にあっていわゆる固定されていたんだ。
それでも、ある程度までは植物などが吸収していた。しかし、その後、原生林を開拓したりして植物が少なくなり、バランスが崩れだした。
バランスって?
つり合いが取れているってことだよ。
そう。ここで、少し難しいかもしれないが、地球上での炭素の循環について話をしよう。循環というのは、サイクルともいって、グルグル回ることだよ。要するに、地球上で炭素がどのように回っているかを知ることだ。
この図を見てごらん。矢印が示しているのが、炭素の動きだよ。大気というのは空気中ということだけど、ここでは炭素はほとんどが炭酸ガスとして存在している。
うん
これまでも説明してきたように、空気中の炭酸ガスは、人間活動や人間を含む動植物の呼吸で発生したものだ。
植物も呼吸するの?
そうだよ、海にいる生物も含めて、すべての生物は酸素を取り込んで炭酸ガスを放出する、すなわち呼吸しているんだ。
へえー、そうなんだ。
動物や植物の死体は土に埋もれると、分解されて炭素と水素の化合物、いわゆる有機物となり、いったん炭素は地中に固定されることになる。
それが、石炭や石油だね。
そう、これを人間が取り出して利用すると、炭酸ガスになって大気に出ていくことになるんだ。
なるほど。
一方、海でも陸と同じようなことが行われている。植物性のプランクトンや水中植物が炭素を取り入れる一方で、魚などの海洋生物が呼吸している。このようなサイクルで炭酸ガスは、地球上をくるくる回っているんだ。
そうか、海でも同じことが起こっているんだね。
ただ、陸のように人間がいないから、そのサイクルは昔と変わっていないと言える。
よくわかった。
炭素が循環しているのは分かったけど、それぞれどれくらいの割合なの?
そうだね。まず陸では、土壌その他からの排出が約58%、それに対して森林などでの吸収が59%なので、ほぼ同じか若干吸収が多い。しかし、これに人間活動による排出が約4%加わるので、結局、排出が約3%多いということになる。次に海では、排出が約38%、吸収が約39%だから約1%吸収が多い。差引、大気中に残留する炭酸ガスはほぼ2%となる。
ただ、ここで陸での問題は、人間活動だね。人間活動と言っても、大きくは2つあるんだ。実はわかるかな?
えっーと。1つは、炭酸ガスを出す活動。もう1つは、植物を伐採したりして吸収を妨げる活動かな?。
そう、石炭や石油を消費して大量の炭酸ガスを出す一方で、それを吸収してくれる森林などを開発のためになくしていることだ。森林伐採も人間が生活していくうえで必要なことではあるけど、これまでは、経済優先で先のことを考えずにやってきた。そのつけが今回ってきたということだね。
これからは、バランスをとった活動が必要ということね。
その通りだ。難しいけどね。将来のためにはやらなければならないことだといえるね。今日はこれくらいにしておこうか。
はーい。