気候変動のお話

気候変動ってなに?
温暖化するとどうなる?
温暖化は抑えられるのか?

気候変動ってなに?

洗濯物を干し終えたお母さんが、居間に戻ってきました。テレビでは、気象予報士が今日の天気の説明をしています。

今日も朝から暑いわね。33℃を超えているわ。エアコンをつけなくっちゃ。
 
今朝の天気予報では、39℃になるところがあちこちにあるそうで、熱中症警戒アラートが発令されているよ。
昨日のテレビのニュースでは41℃を記録したところがあったそうですよ。
 
中東のサウジアラビアでは、50℃に達して死者も多数出たそうだよ。
 
そんなところに長時間いたら、人間も干しあがってしまうわね。
 
昔、会社にいる頃行ったことがあるけど、暑いことは暑かったけど、そこまでは高くなかったよ。
日本でも、このところ毎日子供からお年寄りまで多くの人が熱中症で救急車で運ばれて、中には重傷者もいるそうですよ。
昼間は、エアコンをつけないと大変なことになるね。お父さん、お母さんも気をつけなくっちゃ。
そうね。電気代がもったいないなんて言ってられないわね。
 
考えてみれば、熱中症って、変な名前だね。熱中って、何かに夢中になることだよね。昔は、日射病と言ってたよね。外で太陽に当たりすぎておこる症状だと言われていたが。
そうですね。熱が体の中に貯まることで発症するからじゃないですか。最近は、家の中でも起こるし、昼間はもちろん夜中も要注意だそうですよ。
そうらしいわね。でも夜中もエアコンをつけておくと、電気代が心配ね。地球環境にもよくないんじゃない?
そうはいってられないよ。命にかかわるからね。
 
そうね。それに、うちは太陽光発電があるから、エコだし、昼間は電気代がかからないわね。
ところで、これって気候変動のせいなんでしょう? そもそも気候変動ってなんなの?
大気中の温度、つまり気温や気象が変化することをいうんだ。
今の気候変動は、あとでも言うように人間が起こしたものだといわれているけど、もともと地球には気候変動はつきものだったようだよ。
へえ、そうなの?
 
たとえば、火山が大爆発するとその噴煙が上空数キロまで上がって、それが周辺に広がることで、太陽の光を遮られ、その結果気温の低下や天候の激変が起こることがある。
そういえば、たしかそういう内容の映画をテレビで見たことがある。
 
そのほかにも、太陽の活動が気候に大きく影響しているんじゃなかったかな?。
 
その通りです。そもそも、地球の気温は太陽の活動に大きく依存していて、その変化に応じて、寒い時期と暖かい時期が何年かの間隔で、といっても何万年単位だけど、交互にあったんだ。いわゆる氷期と間氷期だね。
氷期って、非常に寒いときでしょ。恐竜が絶滅したのは、氷河期に入ったためだと聞いたことがある。
 
あっ、氷河期(ice age)と氷期(glacial period)とは厳密には違うみたいだよ。
 
どういうこと?
 
氷河期というのは、地球上に氷河そのものが存在する時代のことをいうんだ。氷河時代という方がいいかもしれない。今、地球上に氷河は存在しているだろう?
ええ、南極、グリーンランド、高山地帯などにあるわね。
 
だから今は、氷河期なんだ。3~4000万年前から続いているみたいだよ。
 
そうなんだ。でも氷河期だったら寒いんじゃない?
 
でも、氷河期の中でも比較的寒い時期と現在のように暖かい時期があって、それが数万年単位で繰り返されている。寒い時期を氷期、暖かい時期を間氷期というんだ。
そうなの? ということは、今は氷河時代の中の間氷期ということね。
 
そのとおり。現在の間氷期は約1万年前から始まったと言われている。ちなみに恐竜の絶滅には諸説があって、氷河期説より巨大隕石の地球衝突説の方が有力みたいだよ。衝突で舞い上がった粉塵が空を覆い、太陽光が遮られたことで、気温低下が起こったといわれている。
そうなの?
 
そのために、それまで暖かく、食べ物も豊富にあったのに、気温の低下で食料が不足し、恐竜自身も寒さに耐えられなくなって、絶滅したといわれている。恐竜だけでなく、多くの生物が絶滅したらしいよ。
その後、また暖かい時代になって、寒暖の差はあるけど、氷期と間氷期が繰り返されてきたんだ。間氷期の中でも、気温は高低を繰り返していて、中世温暖期(10世紀~14世紀)といって、今より暖かい時代もあったらしいよ。
へえー。
 
その時は、グリーンランドも氷が少なく、ある人がここを開拓しようと入植者を募り、その際のキャッチフレーズとして、「グリーンランド」と名付けたらしい。その後の寒冷化で再び氷に覆われて、入植者は全滅したともいわれている。
そうなの? 可哀そうに。でもこれで、氷の島なのになぜ緑の島という名前なのか、謎が解けたわ。
わしもじゃ。
 
よかった。
 
その頃の温暖化はCO2の影響じゃないんだろう?
 
もちろん、まだ石油の採掘なんて行われていないから、少なくとも人類の活動による人為的な影響ではないですね。太陽の黒点や地球自身の活動の影響が大きかったんでしょうね。もっとも、この中世温暖期はヨーロッパ地域だけのもので、地球規模のものではなかったともいわれてます。
そうか。
 
さて、話を戻そすことにしよう。
現在は、さっき言ったように地球は間氷期にあるからもともと暖かい時代なんだ。でもその温かさが異常なんだ。
その原因を作ったのが人類だというわけだね。
 
『炭素循環』のところで話したように。産業革命後人類が化石燃料を大量に使用したことによってCO2が大量に排出されたことが主な原因と言われています。
気温は、数値はともかく寒い暖かいくらいは体感でわかるけど、その当時のCO2の濃度なんてわからないよね。昔の気温やCO2濃度を、どうして今知ることができるの?
それは海底の泥や厚い氷の中に閉じ込められている昔の痕跡を調べることでわかるんだ。詳しくは物知り博士(→物知り博士のQ&A)に聞いてみよう。
なるほどね。それで、CO2が大気中に増えるとどうなるの?
 
そうだね。産業革命後、人類が石炭などの化石燃料を大量消費したことにより大量に発生したCO2が大気中に蓄積して、地球の放射熱を吸収してしまうことで、熱が宇宙に放散されるのを抑えてしまうんだ。
つまり、熱が大気中にこもってしまい、その熱で地球が温かくなるということだな。
そのとおりです。地球がまるで温室の中にいるような状態なので、温室効果というんだ。このような温室効果をもたらすのは、実はCO2だけではないんだ。メタンや亜酸化窒素なども温室効果があり、実際のところCO2より温室効果が25倍高いと言われている。
メタン? 天然ガスじゃない。ガス漏れ?
 
実はこのメタンは、牛が原因なんだ。
 
うし? あの牛?
 
それはわしも知ってるぞ。牛は反芻動物だ。食べ物が胃袋など消化器官で発酵して生成したメタンがゲップとして呼気から排出されるんだろう?
そのとおりです。牛1頭からは1日当たり200~800Lのメタンが放出されるそうです。 全世界で排出されるメタンはCO2換算で年間約20億tと推定されるそうです。
結構な量だな。
 
だからといって、牛を減らすことはできないよね。
 
畜産農家では、メタンガスを減らすための対策など考えているらしいけど、ここでは省略しよう。
了解。でも、どうしてCO2だけを減らそうとしてるの?
 
それは、温室効果ガスに占めるCO2の割合が大きいからだよ。これを減らしさえすれば、温暖化はある程度抑えられると考えられているんだ。
あらっ、空が真っ黒よ。
 
おっ、稲光だ。
 
ゲリラ豪雨の来襲かしら。これも気候変動の影響ね。そうだ、洗濯物を取り込まなくっちゃ。
手伝うよ。この続きは、また今度にしよう。
 
ええ。
 

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