太陽光発電に関する基礎知識

太陽電池はなぜ発電するのでしょうか。 お父さんが話してくれます。

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今日は太陽光発電についての話だね。
 
あの四角のパネルに太陽の光があたるだけで、電気が発生するなんて不思議ね。
 
そうだね。でも、その仕組みを理解するためには、化学や電気の知識が必要なんだ。
化学の授業の知識ならあるけど。
 
私も、理科の知識なら。
 
できるだけ易しく説明するから、わからないところはどんどん質問してくれていいよ。
わかった。
 
僕も。
 
OK。では始めよう。うちの屋根に載っている太陽光発電装置だけど、あれを太陽電池ということもあることは知っているかい?
知ってる。
 
そうか。太陽電池のことを英語では、solar cellと言うんだ。solarは「太陽の」という意味で、cellは電池だね。ここでcellという単語はしっかり覚えておいて、またあとで出てくるから。
はい。セルは電池ね。メモしておこう。
 
それがいいよ。ところで、電池というと、すぐ思い浮かぶのはなにかな?
 
乾電池。
 
スマホに使うリチウム電池。
 
そうだね。そのほか、腕時計など小さいものにはボタン電池が使われているし、自動車には鉛蓄電池が搭載されている。
ほんとうにたくさん使われているね。
 
そうそう、さっき、電池はセルというといったけど、自動車の電池はセルではなく、バッテリー(battery)というんだ。実は、あれは電池が6つくっついているんだ。
そうなんだ。
 
さて、太陽電池なんだけど、これは今、お前たちが挙げた電池とは根本的に異なる性質を持っているんだ。
へぇー。そうなんだ。どう違うの?
 
乾電池や蓄電池などの内部には、電気を発生させる仕組みと原料、具体的には化学物質が予め含まれているんだ。だから、プラス極とマイナス極を電線でつなぐことで、電池の中で化学物質が反応して、場所を選ばずすぐに電気を取り出すことができる。つまり、これらの電池は内部に電気エネルギーをいわば蓄えているんだ。だから電池という言葉がしっくりくるよね。
太陽電池は違うの?
 
うん。電気を発生させる仕組みはあるんだけど、原料がないのでそのままではプラス極とマイナス極を電線でつないでも電気を取り出すことはできないんだ。
太陽の光が必要なんだね。
 
その通り。太陽の光が太陽電池に当たることによって初めて電気を得ることができるということだ。つまり、太陽電池は電気を貯めるものではなく、電気を発生させるものなんだ。いわば、一種の発電機だね。
そうなんだ。ややこしいね。
 
そうだね。まず、このことをしっかり頭に入れておこう。
 
わかった。これもメモしておこう。
 
もう1つ、太陽電池の特徴をいうと、太陽の光があたり続ける限り、いつまでも電気を発生させ続けるということだ。一方、通常の電池は、電池の中での化学反応が終了すると、電気の発生は止まることになる。乾電池はその時点で捨てることになるが、リチウム電池などは、充電することで、また電気を取り出すことができる。
スマホの充電は、毎日しているよ。
 
兄ちゃんは、動画の見過ぎよ。
 
そうかな?
 
ははは、言われちゃったね。さて、充電なんだけど、これは電気を取り出すときの逆の反応によって内部の化学物質を元の状態に戻しているんだ。
そうなんだ。兄ちゃんみたいに毎日充電しても大丈夫なの?
 
残念ながら、寿命があって500回くらい充放電を繰り返すと、化学物質がへばってきて、元には戻らず、したがって電気が得られなくなるんだ。
2年持たないということか。そうなると、電池を交換しなければならないんだね。
 
そうだね。さて、話をもとに戻そう。実も光も、エネルギーという言葉は知っているよね。
うん。
 
光も電気もエネルギーなんだ。だから、太陽電池は光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置ということになる。
なるほど。
 
光は目に見えるけど、電気は目に見えないよね。正体はなんなの?
 
いい質問だね。電気というのは、実は電子の流れなんだ。
 
電子?
 
そう、電子。その電子が持っているエネルギーが、電気エネルギーなんだ。
 
電子って、原子を構成しているあの電子だよね。
 
そう、その電子。原子は、物質を構成する最小単位で、現在知られている原子は100種類以上あるんだ。その一部を下の図に示すよ。
お父さん、さっき原子といったけど、この図には元素になっているよ。原子と元素は同じなの?
うーん、元素と原子か。結局は同じものなんだけど・・・・・・
 
(スマホを見ながら)元素は物質の素を指す概念的な用語で、原子は、実際に物質を構成する実体を指す用語なんだって。
なるほどね。簡単にいえば、元素は記号で、原子はそのものを示すんだね。たとえば、水は水素元素2つと酸素元素1からできているとは言わないね。この場合は水素原子、酸素原子というのが正しいというわけだ。
わかった。ところで、上の図では省略しているけど、元素って全部でいくつあるの?
正確には、118種類だね。日本人が見つけたニホニュームという原子もあるよね。新聞で読んだことがある。
そうだね。お父さんが習った時は、もっと少なかったけど、その後の研究で新たな原子が発見されているんだ。でも、寿命が短くてほとんど一瞬しか存在しないようだね。
(スマホで検索して)ニホニュームは2ミリ秒くらいらしいよ。それでも超ウラン元素の中では長い方だって。原子番号は113だって。
スマホはなんでもすぐ調べられて便利だね。
 
うん。
 
話を原子に戻そう。実、原子の中心には何がある?
 
えっと、原子核?
 
そう。その中には陽子と中性子と呼ばれる粒子が存在しているんだが、その陽子の数が、原子番号なんだ。さっき、実が言ったニホニュームには、113個の陽子があるということだね。
原子核の周りをまわっているのが、電子だね。
 
そう、まるで、太陽の周囲を地球をはじめとする惑星が回っているようなもんだ。光、原子の中で一番最初のものは何か知っているかい?
知っているよ。水素でしょう?
 
そう、水素は一番最初で一番軽い原子なんだ。その原子核には陽子が1つ、そしてその周りを1つの電子が回っている。陽子が2つのものがヘリウム、3つのものがリチウムだね。
知ってる。「水兵リーベ僕の船」・・・でしょう?
 
そうそう。リチウムのあとは、ベリリウム、ホウ素、炭素、酸素、フッ素、ネオンだね。下の図に示すように、これらの原子の原子核には陽子が1つずつ増えて行く。それと一緒に電子も増えて行くんだが、原子核に存在する陽子の数は、その周囲を回る電子の数と同じなんだ。
そうなんだ。
 
実は、陽子は電気的にプラス、電子は逆にマイナスに帯電しているんだ。プラスとマイナスが同じ数となることで、原子そのものは、電気的にプラスマイナスゼロ、すなわち電気的に中性ということだね。
これで電気と電子が結びついたことになるんだね。あれっ、今気が付いたけど、陽子って漢字で書くとお母さんの名前と同じだね。
そういえば、そうだね。
さて、次は半導体だ。半導体ってなにか知っているかい。
聞いたことはあるけど・・・・
 
そもそも電気を通す物質のことを導体というんだ。鉄や銅などの金属がそうだ。電気が流れるということは、実は一方から他方へ電子が動いているんだよ。金属の中では、原子の間を自由に動ける自由電子というのがあって、これが動くことで電気が流れるんだ。これを良導体といっている。
電子が動くって、ちょっと想像できないけど・・・・
 
一方、電気を通さないのを絶縁体という。例えば、ゴム、プラスチック、ガラス、陶器などが絶縁体の代表なんだけど、これらには自由に動ける電子がないから、電気が流れないんだ。
実は、世の中には、そのどちらでもないものがある。それが半導体と言われるものだ。通常は電気を通さないが、条件次第では電気を通すときがある。だから、「半」とついているんだ。
よくわかったようなわからないような。なにか例えるものはないの?
 
うーん、そうだな。昔は東海道のような街道には関所というものがあったということは知っているよね。
うん。
 
それに例えて説明するよ。そうだね、たとえば、電子を旅人と仮定すると、だれでも通っていいですよとフリーパスで通れる街道が良導体。すべての人を絶対通さないという固く閉ざされた関所のある街道が絶縁体。それに対して通行手形を持っている人だけ通れる関所のある街道が半導体というわけだ。
なんとなくわかったような気がする。
 
この半導体が実は、太陽電池の主な構成要素なんだ。
 
ふーん。
 
ここまでが、太陽電池の仕組みを知る上での最低限必要な基礎知識だね。
 
いよいよ、その仕組みだけど、今日は遅くなったからこの辺にしておこう。
 
えー、これからいいところなのに。そうだ、明日は朝練だった。お休み。
 
お休み。
 

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